2021.04.14
 
鳴門の渦潮を初めて見た。これは徳島生まれとして、やはり恥ずかしいことだろう。へたすると鳴門の渦を知らず、この世を去るところだった。まずは安堵した。「いつでも行ける」という気があった。そしていつか、来年はもう80である。



この日は「大潮」で、出航も潮流の一番速い時間帯だった。天気も薄曇り、強く照りつけられることなく絶好だった。

徳島といえば「阿波おどり」と「鳴門の渦」である。
阿波おどりは、私が子供の頃は、のちのように「大会」でなかった、と思う。あったのかも知れないが、わざわざ見に行くというものでなかった。何かあると踊っていたのは事実である。お盆に限らなかった。しょっちゅう踊っていた。しかしそれはいわば「町内」単位のもので、その場で近所の者が集まり、踊っていたのである。東京で、阿波おどりが「大会」として盛大になっていくのを知り、驚いていた。
最近運営上の問題にコロナ禍が加わって、ごたごたしているようである。そのこと自体に私はほとんど感想がない。年寄りのつねで、昔がよかったと思うのである。

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